『Infinite Sweet Pain』
+恋スル虜2+
Scene.2

作:多雨島 ガロン

 
瑞穂は洗髪しながら頭を抱えた。
そこに突然後ろから手が伸びてきて、シャワーが止められた。
振り返ると、九頭龍が戻ってきていたようで、話をするためにシャワーを止めたようだった。
瑞穂は気まずそうに濡れた髪を掻きあげて苦笑しながら言った。
「ああ...部室の鍵はオレが持ってるから、先に帰っていいよ....」
彼は自分にあきれていた。
九頭龍はシャワーのある壁に手をつき、瑞穂の顔を横目で覗き込みながら言った。
「それ...自分で始末すんの?」
「?!」
九頭龍は瑞穂の形の良い半立ちの陽部をチラリと見て口を利いた。
「オレが、してやっても良いけど....」
しばしの沈黙で静まり返った部屋には、シャワーの蛇口から滴る雫の音が反響している。瑞穂は動悸がし赤面しながら頭を垂れ、上目使いに九頭龍を見た。
「......」
「二万円出すからまたヤらせてくれねぇーか?」
「!!」
先ほど九頭龍が出て行ったかに見えたのはシャワー室の鍵を内側から掛けに行っただけだったようだ。
瑞穂は鼓動が早くなる。やはりそうだったのだ!
顔から火が出そうになったが、眉を顰めを見ながら返した。
「また力ずくでするんだろ?」
九頭龍はニヤリと笑った。
「素性がわれてんのに、そんなことできるかよ」
舐めるように瑞穂を見る彼の眼は昨日の労務者と同じものだ。
九頭龍は図々しく肩に手を回して顔を近づけて瑞穂の様子を窺っている。
瑞穂の髪は濡れ、水が滴り、体中の筋肉が運動をした後で張り詰めて、一際美しく締まっている。九頭龍はかすかに息が昇り始めていてスカしている風ではあるが、高揚している瑞穂の色気に下半身は昨日にもまして熱くなっていた。
視姦されている瑞穂の陰茎も堅さを増している。
「それ、どうするんだ?俺がさっき帰ってたら一人でやろうと思ってたんだろ?」
九頭龍の整った形の鼻梁の鼻腔からは荒い息が漏れている。
瑞穂は緊張のあまり潤ませた目で睨みつけた。
「なんだよその顔、誘ってるのか?」彼はおどけながら笑みを浮かべた。
「そんなわけねーだろ!!」顔を赤らめながら瑞穂は叫んだ。
九頭龍はなびかない瑞穂に、真面目な顔をしながら可笑しなことを口にしていた。
「お前が一人でするんなら、俺、見ててもイイか?」
瑞穂は躊躇した。体中が火照り、自分の体は昨日のような行為をしたいと強く渇望し望んでいる。しかし、彼は九頭龍の態度が癇に障っていた。
--{ヤリタイならヤらせて下さいって言えばいいだろ!俺のことを好きだと言えよ!}--
彼は感情を出さない九頭龍を心中で責め、手を伸ばせば届く所にいる、手に入れようと思えば手に入る愛しい男を目の前に、つれない態度をとってしまっていた。
今にも抱きしめたいと、触れたいとあれほど望んでいたのに....支配したいと...。
水道へ続く道ですれ違った時の一瞥。パス練習の時のつれないあの態度。
{瑞穂は自分からやってもいい}などと、{好きだ}などと言い出すことに戸惑いを感じていた。
...九頭龍の本心が解らずに...。
水に濡れた髪から水滴が顔を流れ、それを拭いながら瑞穂はシャワーのある壁に背を凭れ掛けて九頭龍と向かい合い、そして自分の陰茎に手をゆっくりと伸ばし、触れ、それを握り自慰をしだした。
瑞穂は悪戯に笑みを浮かべながら
「見てるだけだな?」と挑発するようにくすりと笑った。
九頭龍は面食らっていたが{見てるだけ}という言い回しをしたせいで手が出せなくなったことを後悔した。
二人は裸のまま向かい合い片方が自慰をしいる。

---棒立ちで欲情し立ち尽くしている九頭龍がどこまで耐えられるか見ものだ!---
---{さあ!!本当のことを言えよ!!抱きてェんだろ?!!}--
瑞穂は心の中でそう叫び、ありったけの艶のある素振りではオナリだし、九頭龍もその姿には絶句した。

彼の右手は己のそそり立った敏感な部分を触り、何時もの成果で知り尽くした牙城を刺激している。体は反って壁に肩をつけながら、しなを作りつつ左の手は首から鎖骨、胸へと這っていた。
うつむき加減な顔は、気丈そうな眼差しを妖艶に投げかけ、九頭龍を見つめるその目は明らかに挑発しているものだった。
右手は、Penisの裏筋をさすり鈴口のあたりを撫で、次に握り締めながら上下にゆっくりと摩擦させている。陶酔しているような顔は眼を閉じ、肩を上下させ、息を弾ませている。九頭龍は彼を見ながら、自分のPenisが先走りを出しながら充血しているのが解った。
彼も思わず自分のPenisに手を伸ばし自分のモノを刺激しだしていた。
瑞穂は潤んだ薄目で眉間に皺を寄せながら、形の良い唇から息を漏らしている。
そして壁に凭れたまま次第にしゃがみこみ、足を開いて恥辱的な格好で、蟻の門渡りのあたりを左手で撫でている。Penisを握った右手は人差し指でカリ首を撫でながら。
彼のイチモツははちきれんばかりに反り、ぷくりと透明な蜜をだしていた。
その有様を見て、あまり使われたことのない瑞穂のPenisに九頭龍はむしゃぶりつきたい衝動に駆られた。
そして晒されているAnalに触れている瑞穂自身の左手は、指を二本次第に挿入していっている。瑞穂は自分の刺激に吐息と混ざった声を発した。
「ウッ..ん...」
Penisの刺激だけの自慰なら声など出さないのに、自分の手の前立腺への刺激でピクリと体を震わせながら、喘ぎ声を漏らしている。
九頭龍はその姿を見てイきそうになり思わず自分のPenisを抑えた。
「クッ」
我慢できなくなった九頭龍は、瑞穂に触れようとした。
「触るなよ!」
瑞穂は猫が引っ掻こうとするかのように九頭龍の手を払いのけ、
また自己完結の陶酔の中に浸りだしていた。
九頭龍に見られているというところも彼の下腹を刺激した。
そして自分を犯す指が自分のものとは思えない、まるで生を受けたかのような激しさで動きだし足を広げながら悶えている。
「アゥ...」潤んだ瞳は九頭龍を見つめている。Penisを握った手は激しく上下し、
彼は悶えながら一人で絶頂を迎えていた。
「はア...はア...あッ..んッ..クッ」
九頭龍はとっさに瑞穂のPenisを掴みイク寸前で止めようと手を伸ばした。
「あああッ..ッン」
しかし時既に遅く、瑞穂はイってしまっていた。
あたりには白濁した蜜の青臭い独特の匂いが立ちこめ、彼のPenisは腹筋の上に射精し続けている。
九頭龍はそのPenisしゃぶりつき、瑞穂の精液を飲みだした。
九頭龍は手元に持ってきていたナップザックからローションを取り出し自分のブツに塗りこめた後、手にたっぷりと取り、瑞穂のAnalの周りに塗りこんだ。
周りを弄るだけで瑞穂は感じているのか、かすれた声を漏らしている.....しかし、瑞穂は唇を尖らせている。
「なんだよその顔」
九頭龍は不機嫌そうな瑞穂の様子を見て口の端で少し笑い、もとの作業に従事した。
彼は瑞穂の足を持ち広げながら、己の上反りのブツを挿入していく。瑞穂は嫌々をしながら抵抗してはいるが、強力な九頭龍の力を止めることは出来ない。
「うああッッ!!..ッッ」
仰向けに寝かされ腰が浮くほど足を広げられている瑞穂は、潤滑油で痛みは軽減されてはいたものの、甘い痛みとその異物感、挿入感に声が出てしまった。
九頭龍のPenisは並以上ではあったが、さして大きくはなく絶妙な大きさで、あつらえたようにぴったりと嵌った。
根元までPenisが入り、違和感に震える瑞穂だったが、九頭龍の荒々しい腰の動きに前立腺のA感覚地点をゆさぶられ、一度射精したPenisがまた勃起しだしていた。
その刺激以上に、自分が大股を広げられて男に犯されているという事実が瑞穂を余計に奮い立たせていた。男である俺のAnalに荒くれた男の堅いPenisが挿入されている!!!そしてこんなに感じている!!
「いだやッ!!やめろッ!!....」
(ビクン)(ビクンッ)体が震え、腰が勝手に動く。
九頭龍は姿勢を低め、お互いの皮膚の感触を確かめ合うように瑞穂に抱きつきいた。お互いの乳首は立ち腹部と擦れ合い筋肉質だがしっとりと気持ちがいい。
瑞穂はこんなに近くに九頭龍を感じて、物理的刺激以上に興奮していた。
そして九頭龍の上反った堅い男根は巧い具合にA感覚の地点を攻めるてくる。
「やだッ!!...あうン....クッ...」
自分の腰の動きでビクビクと反応する瑞穂の陰茎を腹で感じながら九頭龍は、下半身が猛烈に疼き、彼は決して早漏ではないのに瑞穂の腰の動きに翻弄されるように調子を崩されてしまっていた。
瑞穂は潤んだ瞳で九頭龍を見つめ、玉のような汗をかきながら乳首を立たせて喘ぎ、器用にAnalを締め付けてくる。
「はァッ...はァッ...イ..き..そ.うッ...」
瑞穂のイきそうになると報告する。その様にケナゲさを感じ九頭龍は頭に血が登り
彼等は二人は同時にイっていた。
九頭龍の腕の中で、筋肉質な瑞穂は二回もイって力なくぐったりとしている。
ゆっくりと彼はPenis引き抜き、壁に凭れて座り片膝を立てて休んでいた。
瑞穂はむっくりと起きだし、目を合わせることなくシャワー室を出て行った。
九頭龍はそれを言葉も交わさずただ目で追うだけだった。

ロッカールームで制服に腕を通し着替えを済ませた瑞穂は、肩に学ランを羽織りベンチに乱暴に腰を下ろした。足を投げ出しながらタバコに火を付け吹かしはじめている。彼はイライラとしてる風で不機嫌な素振りだった。
後から着替えに来た九頭龍は向かいのロッカー側で壁に向かいながら黙々とブラウスを着ている。相変わらず無愛想で無骨だったが、その横顔には匂い立つような魅力があった。彼は、特に瑞穂を意識している様子はない。瑞穂はタバコを落すと靴で火を消しベンチの奥に蹴りいれた。
彼は立ちあがり九頭龍の方へ歩いていく。
「おい!九頭龍...」
九頭龍は声のする方に向き、
臀のポケットから財布をとり出し、中から二万円を出すと瑞穂の胸に突きつけた。
瑞穂はわななきながらそれを取ると、震える手で握りつぶし、後ろに投げた。
「俺が欲しいのはこんなもんじゃねぇよ!」
瑞穂はならず者に抱きついた。
彼は大の男のくせに健気に涙ぐみ震えている。
「おまえ......俺の気持ち解ってんだろ?!」
九頭龍は頭を垂れて瑞穂を見下ろした。
そして彼の肩をゆっくりと掴むと..口を開いた。
「.....ああ」
九頭龍はうつむき、眼を細め、遠くを見るような深い色の瞳で胸に顔をうずめる瑞穂を見つめ、大きな肩と腕で彼を抱きしめた。
「お互いに素直じゃねェな...」
瑞穂の濡れた髪を撫で、震える濡れた唇に九頭龍は接吻をした。その味は甘美な切ないものでどんな言葉よりも温かく瑞穂をつつみこんでいた。
これは二人の初めてのキスで、次第にお互いを貪るような激しいキスに変わっていった。

-------END-------2002/7/23

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