『sexual Surrender』

作:多雨島 ガロン


 
 

----今日は国際競技場で、大きなサッカーの試合がある。オレはチケットを取る為にネットでずっと粘っていたが、全然取ることができなかった。TELでも挑戦したが全然繋がらず、回線は始終パンク状態で、一分間に200万コールあったとかニュースでやっているのをみた。
「そりゃ取れるわけないよなァ...」
だがあきらめきれないオレは会場近くでチケットを譲ってもらおうと思い家を出た。---

菅原慶斗(ケイト)、彼は小さい頃からずっとサッカー選手になることを夢見ていた。
かれこれ10年近くサッカーをしていて、今は地元のジュニアチームに入っている。
ケイトは15才。髪は日に焼けて茶色く、肌も日焼けして色黒だが幼なさの残る顔には芯の強さを印象付ける鋭く輝く瞳をしていた。

会場近くについた彼はプラカードを持ち、物乞いさながら歩いていた。
---「この辺で練り歩いていたらいいだろう!!
しかしおオレ以外にも沢山チケット欲しそうな人がいるなー!!」
「女装でもしてくれば良かった!!」(笑)
{もちろん冗談だよ!いくら成長期といえども、こんな筋肉質な女がいたらキモイもんな〜!}
しかし...冷静に見るとダフィーのチケットは高いし、競争率も高い....こりゃもう、無理と諦めるしかないか---

「ねえ、君。チケットほしいんだろう??」諦めかけた時に後から声をかけられた。
「そんな値段じゃ売ってもらえないんじゃないの??...今日のチケット一枚20〜90万で売買されてるんだよ...」
振り返ると180pくらいある、モード系のスーツを着た細身の男が立っていた。
髪は黒く眼鏡をかけている、やさしそうな人だ。

「これじゃ安すぎっすか??」
「...うーむ。...僕カテゴリー1の前の方の席が、余ってるんだけど...」
彼はチケットを懐から出してみせた。
「え??譲ってもらえるんですか??」ケイトの顔が輝いて今にも飛びつきそうな勢いでその男に駆け寄った。
「でもその値段じゃーねえ。...凄くいい席なんだよね。...今日の対戦カードは、人気があるし...定価はキツイな...」
ケイトの顔が一気に暗くなった...。
「オレ三万円しか出せません....」

「君が体を売ってくれるんなら只でチケットあげても良いよ」

「え??....今、なんて??...?」ケイトは耳を疑って聞き返した。
「タダであげるって言ってるんだよ。君のケツを掘らせてくれるんならね」
ケイトは目が点になった。
{なに言ってんだよ。いけしゃあしゃあと!!....この人は、そういう人なんだ!!}
ケイトは動揺したが、冷静を装った。
「直球ですね...しかもほるって...」
「変態プレイ、SM、スカトロはしないよ。..でもオーラルとアナルはする。試合後にホテルに行って」
「これは取引だよ」
{変態プレイはしないって言ってるけど..ホモ自体が変態だろう!}
冷や汗を流しているケイトを横目に、男は...

「あっそ..」
「いやならいいよ。別に...欲しい人は幾らでもいるから...」

ケイトが周りを見回してみると、自分よりもジャ●ーズ系っぽかったり、色白で華奢だったする、可愛げなサッカー狂少年たちがプラカードを持ってチケットを欲しそうに、今にも涎を垂らしそうな勢いでひしめいていた。

---こんな選り取りみどりの中、何でオレに声をかけたんだ..この人!...(汗)---
立ち去ろうとする男にケイトは声を掛けた。
「ちょっと待って!!」引き止められた男は心の奥底でほくそ笑んだ...{効いたな!この一言}(ニヤリ)

----女と違って子供も出来ないし、少しの我慢で、こんなプレミアチケットが手に入るんだ...おいしい話といえば、そんな気もする...。
よく見るとこの人どことなく品があって、サラサラの黒髪でヴィジュアル系っぽいし、眼鏡の奥の瞳は、潤んでいて奇麗だ。それに清潔感がある。
不細工なオヤヂに言われるよりマシだよな...。
それにしても....男のオレから見てもカッコイイ系なのに、変態だなんて....お気の毒な方だな...。----

---スポーツだと思えばいいか...複雑な気持ちだ...ってゆうか、やっぱキモくねー??---
くるくると思いを馳せながら、必死に考えてるケイトは、とても可愛かった。

このチケット売りは、呉 陽一。眼鏡の奥のクールな目は今にも陥落しそうなケイトを見て、内心小躍りしていた。

「わかったよ!!その取引乗った!!」
--どうにでもしやがれコノヤローーッ!--

---容易く陥落---

「OK−!」{クククッ}眼鏡の奥で呉の目が光った。(キラリッ)
呉は内心、ケイトを陵辱することを考えながら夢想していた。
しかし外見には表れなかった。

試合は歴史に残る好試合だった。席も前の方でケイトは大満足だ。
彼はまるでスポンジの様に見たものを吸収しようと、プロの選手の技術を呉の話にも答えずに集中して見入っている。呉はそんなケイトを見ながら幸せだった。

***試合後***

「今日はありがとうございますー!」目をキラキラ輝かせながらケイトは呉に駆け寄った。
「誰さん?」
「呉です」呉は名刺を渡した。一流企業のエンジニアらしい。「僕は菅原慶斗です。横浜の●●のジュニアチームでサッカーやってるんですよvv今度見に来て下さいね!」
「それじゃ今日はこの辺で....じゃッ!」
{ガシッ}
呉が眼鏡を光らせながらケイトの肩を掴んだ。
ケイトの背筋には悪寒が走った。
(やっぱり逃げ切ることは出来ないか...ちくしょう!)
「行こうか...」硬直したケイトを引きずりながら二人は人混みに消えていった。

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Inter Continental Hoteの一室

呉は気を使ったのか、普通のホテルを選んだようだ。
部屋にはセミダブルのベットが二つ有り、淡い間接照明が居心地の良い明かりを灯していた。

ケイトは呉に言われて家に電話を掛けさせられた。友達と朝まで騒いでいるとかなんとか誤魔化して...。

呉は動揺したぎこちないケイトをベットに座らせると、マジマジと彼を観察した。
前髪に触れるとケイトはピクリと動き、彼は恥じらいながら目を合わせたが、すぐに下を向いてしまった。
呉はそれを見て目を細めた。

初々しいケイトは先ほどまであんなに活発だったのに、今では少女のように小さくなり、つつくと壊れてしまいそうになっている。
そんな様子に呉は、血の気が引いて眩暈がしそうになったが、その血は下半身に集まっていった。
ケイトのベルトに手を掛けてゆっくりと外し、ズボンを脱がせると、日に焼けた、筋肉質だが細い足が露出し、呉はやさしく愛撫した。
ケイトは無関心を装っていたが、顔が火照ってしょうがない。下着の下で自分の陰茎が大きくなり始めたことに気が付き余計に頭に血が上ってしまう。

ケイトのシャツを巻くりあげると引き締まった胴が現れ、何か、スポーツをしているということがよくわかる。
細身の体は小麦色で、きめの細かい肌に美しい均整の取れた体をしていた。
色素の薄い色の乳首は堅く隆起していて、触るとビクリと反応する。とても体が敏感になっていた。

呉はケイトの上半身をそっとベットに押し倒した。
呉の髪は乱れ、その前髪の下から覗く眼は鋭く光り、今にも豹のようにしなやかにケイトに襲いかかろうとしている。
ケイトはなすがままにされ、捲くられたシャツから見える胸を激しく上下させ、呼吸が速くなっている。彼は瞳を潤ませて草食動物のように怯えていた。

横になったケイトは息を荒くし、顔を火照らせて、下着から一部を晒した物が半勃ちになっている。呉はケイトの下着をずらし、陰茎を掴み出し器用に舐め始めた。
「あっ..」
ケイトは恥ずかしい声を漏らしてしまった。
呉はカリ首から亀頭、鈴口と丁寧に舐め、裏筋を指で刺激する。小刻みに震わせた舌は攻撃をやめず、ケイトは頭の中が真っ白になっていた。

[巧い!!]
--ダメだ!!オレ下半身が理性と分離している!--

ケイトのP(Penis)は先走りを溜め、ヒクヒクと動いている。呉はP(Penis)を今度は口に含み、吸い付きながら舌で攻め始めた。
ケイトは全身に鳥肌が立つような感覚と頭まで貫く快感に襲われ声が自然に漏れてしまう
「はァっ...やあッ」
呉はケイトの下着を剥ぎ、赤子がオシメを替える時のようなポーズに足を持ち上げてあられもない姿にした。
ケイトは今にも絶頂に達しようとしていて、A(Anal)もヒクヒクとP(Penis)と同じように動いている。
呉はカバンを引き寄せて中から取り出した小さなバイブにローションをたっぷり塗りこみ、
目をつぶりながら快感に身を委ねているケイトのA(Anal)につるりと押し込んだ。
意表をつかれたケイトは甲高い声を出し飛びあがった。
「ひゃァ!!」
「やっ!!やめて下さい!」「イヤァ!...」
ケイトは潤んだ涙目で懇願したが、
呉は足を固定しバイブを前立腺の位置まで何食わぬ顔で押し込んでいく。
ローションをたっぷり塗っていたのとWの開脚のせいで挿入するのは簡単だった。
ケイトの萎えかけたP(Penis)をまた口に含み、バイブのスイッチを入れる。

「うわっ!!あああーーっ!!...」

---....え?なんで、こんなAで感じるの?Pと違って、鈍くて腹の底から突き上げるような...これがA感覚??!!---

「やめろっっ!」「アぁンッ!!...もう..だ...めッっ...」
ケイトは二つの密部を同時に攻められ
消え入るようなかすかな声を出しながら瞬時にいってしまった。
ケイトの蜜は呉の口の中にそして自分の腹の上に何時終わるともなく出続けた。
「..ああ..んっ..やめてっ..」半泣きになっているケイトだったが、呉はまだ止めようとしない。また口にPを含みありったけのテクを駆使して勃たせて行く。

バイブの刺激も強くしA感覚の地点を淫靡な機械は鈍い音を立てながら、また蠢きだす。
----ああっもう..やだっ!!
しかし、今度は呉はイかせようとはしなかった。舌もバイブもケイトが逝きそうになると止めてしまい、何時までたっても絶頂を迎えられず、ケイトは頭が変になりそうだった。何も考えられない彼は、自分で足を持って、腰をふって強い刺激を求めている。
呉は、ローションの付いた手で激しくケイトのPの付け根をさすり、口で同時に亀頭部を責めさいなみ。バイブからは激しい振動が前立腺に刺激を与えた。
ケイトの下腹の奥はドクドクと熱くなり、せつない甘美な感覚が炸裂する。

たまりかねたケイトは自分のPに手を伸ばして、自分でいこうとするが、呉はその手をはらった。ケイトはイかせてもらえず、狂おしそうにもどかしがっている。彼は臨海寸前に達していた。
ケイトは「..お願い.....い..かせて...」と、おねだりする子供のようなか細くせつない声を出した。
Aの刺激に感じながら目で哀願するケイトに、
呉のPも、手すら触れていないのにドクドクと透明な蜜をだし、呉も臨海突破しそうになっていた。
呉はそっとバイブを取り出し、今度は隆々として大きく反った自分のPにローションをぬり、ケイトのAにあてがい挿入した。彼のPはイきそうなほど堅く、楽に入れることができた。
ケイトのAもヒクつきながら、入れたとたん絡みつき、吸い付くような動きをして、呉も不覚にもイきそうになっている。
彼はゆっくりA感覚のツボを探し奥に入れていき、そして回すようにしながら激しくツボを刺激する。ケイトもその動きにあわせて足を広げながら腰を動かしている。二人は恍惚としながら何も見えなくなっていた。
ケイトはPの刺激なしに絶頂を迎えようとしていた。
「あああーーーー!!」「..うッ..くっ......」
二人は同時にイった。
 

ケイトは恥ずかしそうに、申し訳無さそうにベットに小さくなっていた。
呉はその横にベットに入り、ケイトを胸に抱いた。
ケイトは喪失感に襲われていた....

---童貞だったし、自慰以外したことがなかった。
スポーツと割り切るつもりだったのに.....自分はイくつもりは毛頭なかったのに。---

何度も恥ずかしい姿でイかされてしまい、彼のプライドは傷ついていた。
ケイトは寝入ろうとしている呉を見つめた。呉も気が付き眼をあけて、暫く二人は見つめ合った。ケイトの瞳は澄んでいて深いへーゼルの色をしていた。
呉はそっとケイトにキスをした。初めてのキスだった。
甘く柔らかい唇は自分の精子の味がして、ケイトは複雑な気持ちだったが、彼の形の良い暖かい唇からはやさしさが伝わってきた。
「ごめんよ...」
二人は眠りについた。
 

数日後

ケイトはクラブチームの練習の帰りに、路駐をしている高級外車JAGUARを見かけた。どんなキザな奴がのってるのかと思って覗いてみたら呉だったのだが、ケイトは外車とみたら10円玉で落書きをしてやりたい衝動に駆られるのだが、ここは我慢した。
「ケイト君!いいもの手に入れたんだけど、これから一緒に見に行かないかい?」
呉が手にもっているのは、またプラチナチケットだった。それも準決勝と決勝のチケットだ。
(しかもスゴイ対戦カード!地元と近くの競技場で行われる試合だ!)
ケイトは喉から手が出るほど欲しかったので卒倒しそうなほど嬉しかった。
それに呉に会えたのも嬉しかった。

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オレは呉さんのことがとても気になってしょうがなかった。
先日のあの夜以来ずっと連絡を待っていたし、
なんでこんなに気になっていたのかよく解らないけど...呉さんの優しい人柄や上品な物腰、キザだけど、おちゃめな所も好感がもてた。
奇麗な肌をしてるし、顔立ちも鼻筋が通ってて、美しくやさしい眼をしている。性格も温和だ。スポーツをやってなさそうなのに引き締まった体をしてる。

ナ二もそうだ。赤く染まった呉さんのはちきれそうなヒクつくモノと、呉さんの高揚した、感じている顔を思い出すと下腹が熱くなってくる。
最近ずっとオカズにして自慰もしてるんだ。オレは呉さんを感じさせたい...イかせたいと思っている....オレは...本当は呉さんを犯りたいんだ。
でも、呉さんをイかせるためだったらオレの中に彼を受け入れたって構わない!
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今日、呉は会社をフレックスタイムで早々に切り上げたらしい。
誘われるままにケイトは呉の車にのりこんだ。車の中は消臭剤のココナッツの甘い香りが漂っている。呉はダンヒルのタバコをよく吸っていた。
呉がタバコを燻らせながら口火を切った。
「ケイト君、会場に行く前に少し寄り道をしていいかな?」
「え?...あ..はい..。」
呉は、支社に配属されている会社の同僚に渡したいものがあるようで、会場に行く前に寄り道をしたいらしい。

ケイトは内心期待していた。今日も取引という名目でFUCKがあるのではないかと...
「呉さん..オレ...チケット代..」
「いいよ、気にしなくて、君が喜んでくれればそれでいいんだ」
笑みを浮かべてケイトをチラリと見る呉に、ケイトは顔を赤らめて眼をそらした。

ケイトは、多少不安な思いがあった。呉はあのような行為を..自分のような未成年を軟派して、悪戯をするようなことを頻繁にやっているのではないかと。
しかしケイトはそんなことは全然構わなかった。彼はモテるだろうし、軟派なんかしたらなびく者も沢山いて、遊ばれたと思う人よりも本気で彼を好きになる者が大勢いることだろう。。その点が一番気になっていた。
自分は呉が好きで、遊びだったとしても、少しでも一緒にいられる時間があればそれで満足だった。

呉は、知人と約束してるらしい会社のオフィスの近くに車を止め、
ビルの入り口付近で待っている同僚のもとに歩いて行った。ケイトは遠くで見ていたが、その同僚という人は遠目で見ても解るほどの美形の青年だった。おっとりとした子気味良い雰囲気の青年は大崎忍という呉の後輩らしい。
呉はブランド名の入った紙袋を何個か手渡していた。
どうも呉はその大崎という人に貢いでいるらしい。ケイトは勘で解った。
車に戻ってきた呉に、ケイトは平静を装い問いただしてみた。
「呉さん...何を渡したの?」
「買ったけど使わなくなったものをあげてきたんだよ」
「新品じゃん?」
「あっ...ああ..」
「あの人をどうにかするの?」
「ん?別にそんなつもりは無いけど...喜ぶ顔が見たかったからね...」勘の良いケイトの質問に、ばつが悪そうに苦笑しながら呉は答えた。
「人に物をあげるのが趣味なんだ」
「フーン...」
呉は貢ぎ癖があるようだった。
ケイトは自分以外の人に、呉がそのような事をすることが許せなかった。
呉は静かに車を走らせた。

-----なんだよ!!オレじゃダメなのかよ!オレがいる目の前でぬけぬけと!!
オレは一体なんなんだよ!!----
-----でも....だいたいオレと付き合ってる訳じゃないから、仕方ない..か...。
そんなことは解ってる!...けど...オレ以外の人にちょっかいだして欲しくない。---------

「オレ...帰る」
「え??..今日の試合は見ないのかい??」
「もういいんだ!!」
ケイトは信号で止まった車から飛び出し、走り去った。
「ケイト!!」あっけにとられた呉は、車を路肩近くに駐車して、ケイトを追った。

「待てって!!」
ケイトは奥まった路地の小さな公園にいた。公園の中は誰もいなく木々だけが風に揺られさざめいていた。
「どうしたんだい?...何か気に障ったのか??」
ケイトは無言だった。今喋ると感極まって関を切ったように泣いてしまいそうだったのだ。
目を合わせずにケイトは淡々と無感情に答えた。
「呉さんとはもう会わないようにするよ」
「辛かったのかい?...」
「僕が嫌いなのか?...そりゃそうだよな」感情を表に出すことのなかった呉が珍しく動揺していたが、冷静になろうと心がけながら喋っていた。
「無理強いしてすまなかったよ。もう顔もみたくないんだろ?」
「こんなに可愛いケイトを失うなんてとても悲しいよ。...でも..仕方がないよな、性別を超えた恋だから...無理なのは当然だ」
「....違..う」
「オレ呉さんのことが好きなんだ!」ケイトは感情の篭った熱い潤んだ瞳で呉を見つめた。
「決して行動を縛りたいわけじゃないけど、呉さんにはオレ以外の人を見て欲しくない。....オレの言うこと鬱陶しいと思うよ。それは解ってる。でも...オレ..いたたまれないんだよ!」

「どうせオレのことは本気じゃないだろうし、呉さんには色々恋人がいてSFも沢山いる。オレ辛いし、傷つきたくないんだ!だからもうこれ以上一緒にいたくないんだよ!!」
純粋な彼の目には涙が溜まり、その姿を見た呉は胸が締め付けられる思いがした。
呉は初めて他人を愛おしいと思った。
彼は感情を殺して生きてきたので、今までは、何もかもが他人事のように感じられていた。彼は厳しい両親のもと抑圧された世界に生き、何もかも諦めさせられ、生きながら死んでいたも同然だったのだ。
彼はケイトへの愛と共に感情手に入れていた。

「ケイト、僕はね..クラブチームの練習を見る機会があって、偶然君をみて好きになったんだ」
「自分の夢に対して一途にがむしゃら打ち込む姿に憧れて...」
「...それは僕がかつて失ってしまったものだった....」
「一目惚れだったよ」
「それからはよく練習を見に行って、君と知り合える機会を探していた」
「それで先日、君が{チケット下さい}っていうプラカードを書いてるのを見て、
大枚はたいてチケットを購入して。偶然を装ってチケットを売りつけたんだよ」
「...本当はあげるつもりだったんだけど、それだけじゃ満足できなくなってあんなことをしてしまったけど...」呉は、はにかみながら頭を掻いた。
「僕は本気で君の事を手に入れたいと思っていたんだ。」

「僕は他人を喜ばせたくて、他人に物を色々あげる(貢ぐ)ことで人に必要とされてると思いこみ、そこに幸せを見出していた。自分の存在理由を見付けようとしていた。
僕には...物以上の...それ以上の物は何も持っていないから...」

「呉さん!呉さんはそんなことをしなくても十分魅力的なんだよ!」
僕は、呉さんが必要だし、物なんかなくても一緒にいたいと思ってるんだ」
「ケイト!!」呉はケイトに抱きつき肋が砕けそうなほどの抱擁をした。
ケイトは息がつまりそうだった。
呉は初めて失いたくないモノを手に入れていた。

「呉さん...オレ一つだけ欲しい物があるんだ。」
「え?..なんだい??なんでも言ってくれ..」
「オレ呉さんが欲しいんだ。呉さんのAや、その他、全てを好きなようにさせて欲しい..掘りたいんだ!!」
「えっ???!!」

   
     ---END---

**モドル**